【終了報告】ひとづくりフォーラム 2024 盛況のうちに閉幕

この度、「渋沢 栄一ひとづくりフォーラム 2024」は 2024 年 11 月 11 日(月)に盛況のうちに閉幕いたしました。参加者は 200 名を超え、ご多用にもかかわらず本フォーラムにご参加・ご協力を賜りました皆様に、心より御礼申し上げます。
【挨拶】開会・主催者
埼玉県深谷市 市長 小島 進 氏

今日は第一部は神田 あおいさんの講談、第二部の「福祉」のなかで活躍し渋沢栄一賞を受賞された室﨑 理事長のお話ということで 1 日渋沢 栄一 翁を慕っていただければありがたいです!
私は渋沢 栄一 翁が日本女子大学の設立に携わったことをはじめ、女性の社会進出を一番バックアップしたと思っています。「人」を大事にしたわけです。
栄一 翁が行ったすべてを私はリスペクトし、栄一 翁は天国から見ていてこの日本をよくするのは民間の力が必要だという想いなのだと私なりに理解をさせていただいています。
この世の中を少しでもみんなで良くしていきましょう!
渋沢栄一ひとづくりカレッジ紹介
株式会社チエノワ 代表取締役社長 田中 雅也 氏

2020 年、コロナや災害で先行きが見えない中、企業の務めとは道徳と経済というかけ離れたものを一つにしていくことだと栄一 翁に教えていただきました。ひとづくりには未来を切り開く力があると信じ小島 市長、そして東京海上日動さま、埼玉新聞社さまにお力添えを賜り本プロジェクトを発足いたしました。
「栄一 翁生誕の地である深谷市から栄一 翁の精神を全国・世界へとつないでいく」こそが栄一 翁の時を超えたメッセージだと捉えています。本日お集りいただいた皆様、あらゆるご縁をいただいた皆様に支えていただきながら、本プロジェクトを一つ一ひとつ進めてまいります!
【来賓】 皆様
公益財団法人渋沢栄一記念財団 常務理事 岩永 隆志 様
群馬県伊勢﨑市 市長 臂 泰雄 様
株式会社エフテック 最高顧問 福田 秋秀 様
株式会社埼玉りそな銀行 深谷支店長 瀬村 泰紀 様
埼玉縣信用金庫 専務理事 井上 義夫 様
株式会社武蔵野銀行 深谷支店長 竹尾 宣保 様
熊谷商工信用組合 理事長 石川 和彦 様
埼玉県商工会連合会 常務理事 秋葉 淳一 様
埼玉県中小企業団体中央会 事務局長 清水 敦史 様
埼玉経済同友会 専務理事 事務局長 大石 克紀 様
深谷市議会 議長 角田 義徳 様
深谷商工会議所 副会頭 鵜養 秀男 様
ふかや市商工会 副会長 古戸 賀春 様
「若き日の渋沢 栄一」講談
講談師 真打 神田 あおい 氏(埼玉県出身)、講談師 神田 山兎 氏

【第一部:論語編】講演・シンポジウム
社会福祉法人 いわみ福祉会 理事長 室﨑 富惠 氏(以下、室﨑 氏)
社会福祉法人 邑元会 常務理事・埼玉県社会福祉法人経営者協議会 副会長 神戸 章 氏(以下、神戸 氏)
テーマ 1 :あたりまえをすべての人に(ひとづくり)
ターニングポイント 1 ~わが子~

室﨑 氏 わが子が障害を持っていなかったら、この道を進もうとは思いませんでした。神様がわが子に障害を与えていただいたおかげで、世界中の障害がある方のために頑張れと言われた気がしました。
障害施設の設立にあたり、当時は 4 人部屋でしたが、1 人部屋を用意したいと県に相談したところ、素人で母親ではお金を集めることができないと言われました。その時、障害があるからってなんで普通に生活ができないのかという想いがありました。当時は障害者の存在をひた隠す時代でしたが、私はそのころから地域に出るべきだと思っていました。障害があることで普通に生活ができないという悔しい想いから、島根県民に協力を求め、署名 1 万名、募金 6 千万円が集まり、福祉の基礎を築くことができました。
そして、障害者に給料を支払う職場を提供することも大切だと思いました。そのためには、職員のひとづくりがまずは重要でした。地域の方が職員になるように、外堀を地域の人と作って、それを地域に還元できるような仕組みを目指しました。それから障害者と職員希望者の見学が増えていきました。
神戸 氏 昭和 38 年に老人福祉法が開始されたのでまだ 3 年しか経っていなく、おそらく前例のない中、困難に運営をしていたのではないでしょうか。地域の理解がないと難しかったと思います。
ターニングポイント 2 ~法人化~

室﨑 氏 先ほど話した 1 万人署名と 6 千万円寄付のおかげで力がつきました。その時、父が県議員だったため、島根県議員の皆様が募金に協力してくれました。出雲大社の宮司さんも事情を説明したところ、51 年前に 20 万円も寄付をしてくださいました。
その活動中に父から「福祉屋でなく、福祉家であれ」、自分の顔を汚すような活動はするなと教えがありました。その言葉がとっても力になりました。道なき道を切り開いていくことは大変なことです。募金の助けを借りて、法人化に向けて活動をしてきました。
栄一 翁の福祉に対する思いには大変感銘を受け、栄一 翁のようにはなれないけど見習わないといけないなと、またファンになってしまいました。
神戸 氏 栄一 翁は父からは勤勉さと思いやり、母からは慈悲の心を学んだと聞いております。親子関係から『ひとづくり』として継承されているからこそ、今の偉業があるのではと感じます。
ターニングポイント 3 ~地域との共生~

室﨑 氏 天皇陛下が私の所にお越しいただいた際に、一番最初におっしゃった言葉が「地域を豊かにしないとダメだよ。衣食住が足りて初めて弱い立場の人に力を貸してあげられると思う。」でありました。
私は深く共感し、島根県全体に『めばえの箱』を設置させていただきました。そしてそのお金で『めばえ号』を購入することができました。その車を使ってあの当時なかった【通所】を開始することができました。
最初は大変でしたね。施設の中で障害の方にお茶を入れる作業に対し職員から火傷の危険性があるのでないかとの声があったり、20 時以降の就労禁止など、当時は規制が色々とあり毎回「くそー」と思いながら支援をしていました。少しずつですが、職員の考え方も変わってきて【通所】が浸透してきました。
6 千万円の寄付をいただいているのだから地域の人から立派な仕事をしているなとプライドを持ってもらわないといけないと思いました。障害の人は指導員の正確な指導があればなんでもできるとわかってもらいたかったです。
地域の人と交流の場としてまずは畑を設けたが、職員の知識だけでは足りず農家さんを雇って意見をもらうようにしていると、農家の方がクッションとなり一般の地域の人も寄ってくれるようになりました。そして障害の方は良いものを作ろうと、より頑張るようになっていきました。作った大豆を職員が研究を重ね「まごころ豆腐」を開発し地域で販売するようになっていきました。
そこで「美味しい」と消費者の声を直接聞くことで製造者のやる気が向上し、「桑の木園(いわみ福祉会)の豆腐は美味しい」と授産品の価値を上げることができました。それから障害者と職員の中が言いたいことが言える中になってきたと感じ、職員も成長を感じることができました。
神戸 氏 私たちも現在埼玉の浦和の施設で授産品の製造販売を行っているが、室﨑さんのやってきたことが基準となっています。その中でも職員や地域の理解を得ながら、還元することが福祉の喜びではないかと思っています。
テーマ 2 :地域とともに生きる

室﨑 氏 島根県石見地方には石見神楽の素晴らしい伝統文化がありますが、後継者不足で辞めてしまう人が多くいました。そこで私たちは半年間修行し、まずは職員が学んで竹で出来た大蛇を作れるようになりました。
それは竹を 1 センチ幅で編んでいくのですが、これがどうしても上手くいきません。そこで地域の竹職人に聞いて、原因は竹の湿気とわかり、アドバイスをいただいたおかげで良い物を作れるようになりました。良い物を作れるとやる気が出てくるものなんですよ。
雇用の創出にも力をいれています。授産品は美味しくないものと認識がありましたが、それではダメですね。美味しいものでないと買ってくれないんです。だから利用者に教える職員がプロにならないといけないんです。
大切なことは一流のものを作らないと売れないんです。地域のプロの方を採用することはありますが、なるべく福祉職員が学んでプロになることも重要なんですよね。プロは不健康なものをつくるときもありますが、一流のものは健康なものでなければいけないんです。
最近では農協とタイアップしてピオーネを作ったり、地域のお肉を使用したとんとん餃子を作っているので皆さん買ってください。
売上の一部を共同募金に寄付しています。これは私たちも募金に救われたので恩返しの意味で寄付させていただいています。地域を豊かにしないと、私たちを認めてもらうことは難しい。障害者雇用については、周りの理解が必要だと思います。
障害者は長時間集中することが難しいので程度な休憩をとってあげることで業務の生産性を上げることができます。私たちの施設では利用者が 40 歳になったら、一度地域の企業に出るようにしているんです。継続した就労ができる人にはアパートやアパート型グループホームで自立した生活を進めています。どんどん地域に出ていかないといけないと思っています。
職員は当初 16 人だったのですが、現在では 560 人に増えました。ボーナスは必ず手渡しで感謝を伝えるようにしているんです。それが理事長である私の仕事だと思っています。
神戸 氏 邑元会でも授産品の製造販売を行っていますが、地域の文化を取り入れることは大変難しいことです。それができているいわみ福祉会様を見習わないといけないと思います。そして利用者の居場所を提供してあげないと完璧なものが出来ないことを学びました。私たちもこれから模索していきます。
テーマ 3 :変わらぬ 5 つの願い、そして未来へ

室﨑 氏 私たちは設立時に 5 つの願いを掲げました。当初は正直障害者に対して差別がありました。私はそれが原動力になったんです。
ある学校の校長先生が桑の木園施設見学のときに「あそこは怖いところではないので、行ってきなさい」と声をかけていることに怒りを覚えました。『怖いところ』だとイメージを持っているから言葉になったんだと思います。それ以外にも、バスで地域の小学生が障害者に対して小馬鹿にするような発言がありました。後日、その学校の校長先生から謝罪の言葉と障害者と共に暮らすため継続した福祉学習をしていきますとの連絡があったため、5 つの願いを伝えたんです。
少しずつですが障害者を認知してもらうことしかないんですよね。まだまだ島根県にも浸透していない 5 つの願いであるため、地域を豊かにする仕事をすることによって 5 つの願いを実現できればと思っております。
神戸 氏 実際、深谷市でも福祉の心をはぐくむ交流事業として小・中学生対象にまごころ交流事業を実施しています。実際そこから今年職員面接に来た人からここの施設で交流事業をやったことがきっかけで面接に来たと言ってくれたことが感激しました。
小さいころから福祉の心・利他の心を育成されないとこれからの福祉も浸透されないので、引き続き福祉を学ぶ場が重要になっていると思います。
これから挑戦したいこと

室﨑 氏 共生社会を作っていくには障害者を見える化していくことです。地域では高齢化社会が問題になっていますが、福祉社会でも高齢化が問題となっています。高齢者施設を障害のある方が入所できるように働きかけていきたいです。地域を支えて育てることが私の仕事です。地域を支え、地域に支えてもらう関係が素敵だと思っています。
一人ぼっちを作らない世の中を作りたい!一人ぼっちは本当に生活するのが大変なんです。「地域の主役であった方々を今後はどのように支えるか」が課題です。
最後に私の夢は「障害の人、子ども、その親それから高齢者がいろんな形で繋がって一人にならない世の中にしていきたい」です。現在は働き世代が高齢者や子どもを支えている状況ですが、それを障害の人が子どもや高齢者を支えていく世の中の仕組みを作っていきたいです。島根県の地方は商店街がシャッター街となっていますが、そのシャッターが少しでも開くようにすれば地域に人が戻り、地域を耕すことにつながると考えています。
ぼろい施設には人が集まらないですよね。ホテルかなと思ってもらえるような施設がなくてはなりません。それには寄付が必要です。皆様、是非ご寄付をよろしくお願いいたします。
神戸 氏 福祉とは地域にあることが大前提でした。社会福祉法人は地域に何ができるかを考える責務あると思います。私たちはどのようにして地域と関わりながら、その利用者の方々の生活圏内を良くして、その人の先行きを考えながら地域と一緒に考えていかないといけないと思っています。
栄一 翁と室﨑 様はビジネスが得意ですが、私たち社会福祉法人は経営が苦手なんです。一般企業とも交流をもちながら社会福祉法人と企業が合本組織となって地域活性化のために活動することが障害・高齢・子どもを含めて良い世界ができるのでないかと感じています。
総括
埼玉新聞社 代表取締役社長 関根 正昌 様

今日はたくさんの方にひとづくりカレッジのフォーラムにご参加いただきまして誠にありがとうございました。神田さんの講談に続き、神戸 常務理事のコーディネートのもと、室﨑 理事長に熱い思いを語っていただきました。
一人の主婦が小さな疑問を抱き、ここまで 51 年間大きく続けてこられたことに敬服いたします。やはり最初に抱いた「あたりまえが何でできないのだろう」という小さな疑問、その追求の 51 年だったのではないでしょうか。
室﨑 理事長の様々なお話の中に、印象深いものがたくさんありました。『燃えて燃えて燃えまくっている』というのを見出しにして記事を書きたいなと思っています。 2 年、3 年続けておしまいという活動ではないので、サスティナブルなものにしていかなくてはなりません。
維持・発展させるための資金集めにも奮闘され、実例をあげてお話いただきました。福祉施設の運用の大変さがある中で、石見神楽の素晴らしい催しを行うなどさまざまなアイディアをいただきました。
本日は実物のおみやげ以外に、頭と心にたくさんのおみやげを持ってお帰りいただけるのではないでしょうか。本日はお忙しい時間にこのようにたくさんの皆様にお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。
登壇者紹介
社会福祉法人 いわみ福祉会 理事長 室﨑 富惠 氏

次女の障害をきっかけに障害福祉運動に取り組む中、1973 年障害のある子どもたちの親が中心となって(社福)いわみ福祉会を設立。同法人設立当時の障害福祉制度は入所施設中心であった中、民間下宿、民間ホーム、生活自立訓練等の地域生活移行の取組を先行的に展開主に島根県西部の浜田市、江津市を中心に、障害福祉分野、高齢福祉分野で約 40 事業を展開障害者、支援者、地域の方々と一緒に完成された伝統芸能「石見神楽」の舞いを国内外で上演して高く評価されるなど、障害者の自立と社会参加に貢献障害者の働く場に地場産業である和紙を使用した神楽面作りを取り入れるなど、地域地場産業の発展・継承と障害者の雇用に貢献。
法人名称 社会福祉法人 いわみ福祉会
所 在 地 島根県浜田市金城町七条ハ559番地2
電話番号 (0855)42-0091
公式ホームページはこちら
第 22 回渋沢栄一賞受賞 【社会福祉法人 いわみ福祉会】
【受賞した感想】
島根県を代表して受賞されて光栄です。これも私たちも頑張りましたけど、島根県民の皆さまにお世話になったおかげだと思っております。渋沢栄一翁のことを書物や映像で功績を学び、すっかりファンになってしまいました。このたびはありがとうございました。
詳細はこちらをご覧ください。
グラレコ


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