4.22(金)「渋沢栄一Premium meeting2022」開催報告&御礼

2021年、深谷市郷土の偉人・渋沢栄一翁が主人公の大河ドラマ「青天を衝け」が放送されました。

幕末から明治、大正、昭和へと激動の時代を生き抜く中で、みんなの幸せのため数々の逆境を自ら乗り越え、近代日本経済の礎を築いていく姿が描かれ、多くの感動と共感を与えてくれました。

くしくも、新型コロナウイルスやそれに伴う経済危機、自然災害など、先行きが見通せない日本の現在の状況は、渋沢栄一翁の生きた時代に似た状況であり、渋沢栄一翁の考えが改めて見直されています。

今こそ、渋沢栄一翁の原点に立ち返り「渋沢栄一スピリット」を胸に様々な変革に挑戦されてきた企業の知恵を学ぶ場を提供し、新たな時代を切り拓く「ひと」を創るため、「渋沢栄一Premium meeting(プレミアムミーティング)2022」を開催しました。

開催レポートは、以下リンクよりご覧いただけます。
http://fukaya-shc.org/20220422_shibusawaeichi_PremiumMeeting2022_report.pdf

先日4/22(金)、合計326名(リアル198名+オンライン128名)の参加を賜りました。
冒頭では、渋沢栄一翁ご生誕地 深谷を代表する皆様よりメッセージを頂き、

埼玉県深谷市長 小島 進氏
深谷商工会議所 会頭 村岡 正巳様
ふかや市商工会 会長 沼尻 芳治様

北京パラリンピック金メダリスト 村岡 桃佳選手(深谷市出身)
からの祝辞とともに、渋沢栄一ひとづくりカレッジ発起人田中 雅也より本プロジェクト概要について説明いたしました。

※プロジェクト紹介映像( 1m56s )はコチラより。 https://youtu.be/H9h3aTyVYOg

パネルディスカッションでは
テーマ 「逆境の今こそ、変革のチャンス!~ひとづくりで未来を切り拓く~」

東京商工会議所 第21代会頭 三村 明夫氏
産業雇用安定センター 会長 矢野 弘典氏
東京海上日動火災保険 常勤顧問 水戸德川家 第15代当主 德川 斉正氏
埼玉県深谷市長 小島 進氏

4名それぞれのお立場にて、渋沢栄一翁の挑戦からの気付きやご自身の体験、そして未来に繋ぐ“ひとづくり”についてお話をいただきました。

※司会・進行:フリーアナウンサー 石田 紗英子
コーディネーター:株式会社チエノワ 代表取締役 田中 雅也(智慧の燈火プロジェクト代表理事、渋沢栄一ひとづくりカレッジ発起人)

1)渋沢栄一翁の挑戦からの気づき
2)実際の挑戦エピソード
3)ひとづくりこそ、未来を切り拓く力

上記三つの質問を通して、沢山の知恵を頂きました。
以下、パネルディスカッションで語っていただいた内容を一部掲載いたします。

<パネルディスカッション>

・東京商工会議所 第21代会頭 三村 明夫氏
渋沢栄一翁の如く、ビジョンを掲げた上で行動するのではなくて、数々の行動を積み重ねながらビジョンという形で凝縮させること。
経営者の使命とは、社員に誇りと働きがいを与えること。
私益と公益を高い次元で両立させることが大切であり、ひとづくりの原点。
日本は長寿企業大国であり、自らを巧みに変え、大きな危機も生き延びてきた自己変革能力が、DNAとして備わっている。

産業雇用安定センター 会長 矢野 弘典氏
企業は公器であり、徳業である。”誰が正しいかではなく、何が正しいか”が大切。
少数精鋭とは優秀な人を少数集めることではなく、少人数だからこそ精鋭になるということ。
信用が何より大切であり、青草も燃えるほどの火種(信念と行動)が困難を乗り越える鍵。
「修己治人」を目指す上での三つのキーワード「忠恕(まごころと思いやり)、三省(日々の反省)、徳不孤(徳ある人は孤立しない)」。

東京海上日動火災保険 常勤顧問 水戸德川家 第15代当主 德川 斉正氏
「人よく道を弘む。道、人を弘むるにあらず。」弘道館の教えの如く、”ひとづくり”には卒業がなく、生涯学び続け、国家・社会のために尽力することが大切。
過去をできる限り客観的(勝者の歴史ではなく、勝者&敗者の両方の歩み)に明らかにし、これからの未来をどのように進むべきかを考える「彰往考来」の重要性。
渋沢栄一翁「真似をするのは形ではなく、心を真似するのが良い」の如く、技術や知識はあとで身につくものであり、その器がその人間の魂。
「信用をどれだけ多くつくっておくかが、いざという時に役に立つ(2011年東日本大震災の修理費25億円を支えてくれた恩人達からの教訓。)」

・埼玉県深谷市長 小島 進氏
渋沢栄一翁は今につながっている。そのお陰で多くの出会いを頂けることに感謝。
渋沢栄一翁の如く、「誰よりも動き多くの方々を繋げていくこと」が自分自身の使命。
いつの時代もアナログな「人と人との出会い」によって、新たな知恵と挑戦が生まれ、未来は切り拓かれる。
今後も本プロジェクトを通して、日本から世界へと渋沢栄一翁の想いに共感する同志の皆様と繋がり、新たな日本、新たな世界へ一人ひとりが一歩踏み出すきっかけとなる土台を築いていきたい。

参加者アンケートでも、様々な嬉しいメッセージを頂きました。

<参加者アンケート(抜粋)>

・とても素晴らしいの一言に尽きる。日ごろの生活では体験できない講演会に参加でき、書ききれないほどのメモを取らせていただきました。

・人が大切であり、困難なときこそ人の和(天の時、地の利、人の和)が大事。武田信玄の名言「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり。」を思い出した!

・損得の得ではなく、人の徳を積み重ねていくことを実感。企業経営には徳が必要であり、社会貢献も含めた経営を考えていきたい!

・苦労葛藤を含めた様々な実体験を自分のものとし、それを他社&他人へ還元する力(公益)が結果的に自分自身に大きな利益を与える、ということに感激した!

・経営者ではなく従業員ですが、日本、地域、企業を引っ張るリーダーたちがどのように物事を考えるかを知るキッカケとなった。深谷市民ですが『深谷って凄い』と実感し、もっともっと多くの人に知ってほしい!

・偉人の残した言葉の重みを改めて再確認し、その魂を真似る。そのためにも、まず自分に思いやりを持ち、毎日3つ反省(三省)に取り組みたい!経営者は一人ぼっちではない!

・ひとづくりに心をうたれた。経営者の仕事はひとづくりにあり、すべての仕事はひとづくりに繋がる。本プロジェクトで自分が学び、更に社員へ転換させて、共に学んでいきたい!

<ティーミーティング>

「渋沢栄一翁のひとづくりへの想いを紡ぐ公開座談会」としてのパネルディスカッション終了後には登壇者、来賓者、関係者にて、本プロジェクトを推進していく上でのアイデアを語り合う機会(語り場)をつくりました。

<運営体制>

(主催)渋沢栄一ひとづくりカレッジ発足準備室(深谷市、東京海上日動火災保険、チエノワ、埼玉新聞社)
(後援)埼玉県、渋沢栄一記念財団、東京商工会議所、深谷商工会議所、ふかや市商工会、埼玉りそな銀行、埼玉縣信用金庫※順不同・敬称略
(運営)渋沢栄一ひとづくりカレッジ発足準備室

※公式ホームページはこちらよりご覧ください https://fukaya-shc.org/

<来賓>

1) 株式会社ドトールコーヒー 名誉会長 鳥羽 博道様
2) 徳島県経営者協会 会長 株式会社マルハ物産 代表取締役会長 林 香与子様
3) 渋沢史料館 顧問 井上 潤様
4) 東京商工会議所 常務理事 小林 治彦様
5) 埼玉りそな銀行 取締役会長 さいたま商工会議所 会頭 池田 一義様
6) 埼玉縣信用金庫 理事長 池田 啓一様
7) 深谷市議会 議長 武井 伸一様
8) 深谷商工会議所 会頭 村岡 正巳様
9) ふかや市商工会 会長 沼尻 芳治様

<見学ツアー(二層楼)>

渋沢栄一ひとづくりカレッジの学び場の一つとして、「二層楼(深谷商業高等学校記念館)」へ見学に伺いました。

※貴重な文化遺産としての二層楼:平成12年(2000)には、フレンチルネッサンス様式を基調とした、大正時代の建築技術の粋を集めて建設された貴重な建物として、国の登録有形文化財の指定を受けました。
渋沢栄一翁が書き残した「士魂商才」「至誠」の書が掲載され、これらの言葉が深商の校訓となり、現在も渋沢栄一翁の教えが受け継がれている。また、二層楼の西側に植えられた松の木は渋沢栄一翁によって植樹されました。(https://www.toyahachi.com/20201025)

偶然にも訪問した4月22日が開校記念日であり、改めてご縁を感じるとともに、休校日にも関わらず、イベント参加&二層楼案内をして下さった生徒の皆様に感謝申し上げます。

<懇親会>

乾杯や中締めのご挨拶を
埼玉りそな銀行 取締役会長 さいたま商工会議所 会頭 池田 一義様
埼玉新聞社 代表取締役社長 関根 正昌様
深谷商工会議所 会頭 村岡 正巳様
ふかや市商工会 会長 沼尻 芳治様
に頂き、

コロナウイルス防止ガイドラインに則り、ソーシャルディスタンス&換気を十分に整えながら、パネルディスカッションの興奮冷めやらぬ中、笑顔と笑い声が絶えない時間を過ごすことができました。

<今後の展開>

渋沢栄一ひとづくりカレッジ・キックオフイベント「渋沢栄一ひとづくりフォーラム」は本年11月11日(金)に開催予定です。当日はこれまで伺ったことのない「実体験という本音、更に本音の中にある知恵(実践知)」を学んでいきます。

・パネルディスカッション第一部「 経営者の葛藤と知恵 ( 渋沢栄一賞受賞者編 ) 」
渋沢栄一翁が示した「道徳経済合一説」や「論語と算盤」の如く、私益と公益の両立を図り、様々な逆境や業界内での非常識に取り組みながら“ひとづくり”に挑戦された実体験についてお話をいただきます。

※登壇者
ドトールコーヒー 創業者 名誉会長 鳥羽 博道氏
ヤオコー 4代目 代表取締役会長 川野 幸夫氏
マルハ物産 2代目 代表取締役会長 林 香与子氏

・パネルディスカッション第二部「 後継者の苦悩と革新( 渋沢栄一賞受賞者の後継者編)」
偉大な先代(渋沢栄一賞受賞者)の土台がある中、先代の想いを継承しながら、時代の変化とともに取り組んできた新たな分野での挑戦、その裏側にある葛藤や苦悩、更には”ひとづくり”の秘訣についてお話をいただきます。

※登壇者
埼玉種畜牧場 2代目 代表取締役会長 笹﨑 静雄氏
山田食品産業 5代目 代表取締役社長 山田 裕朗氏
伊那食品工業 4代目 代表取締役社長 塚越 英弘氏

最後に、目に見える部分だけではなく、目には見えない様々な場所で、多くの方々に支えられて開催することができました。本プロジェクトに携わるすべての方々のお力添えに感謝申し上げます。

本プロジェクト推進に向けて運営チーム一同、一つひとつ積み上げて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

※懇親会でのワンチーム写真です。このご縁の輪を日本全国へ、そして世界へ繋いで参ります。

渋沢栄一翁の名言

信用はのれんや見た目から
得られるものではなく、
確固たる信念から生まれる

  • 人は全て自主独立すべきものである。
    自立の精神は人への思いやりと
    共に人生の根本を成すものである。
  • 全て形式に流れると精神が乏しくなる。
    何でも日々新たにという心がけが大事である。
  • 一人ひとりに天の使命があり、
    その天命を楽しんで生きることが、
    処世上の第一要件である。
  • 事業には信用が第一である。
    世間の信用を得るには、世間を信用することだ。
    個人も同じである。自分が相手を疑いながら、
    自分を信用せよとは虫のいい話だ。
  • たとえその事業が微々たるものであろうと、
    自分の利益は少額であろうと、
    国家必要の事業を合理的に経営すれば、
    心は常に楽しんで仕事にあたることができる。
  • 金儲けを品の悪いことのように考えるのは、
    根本的に間違っている。
    しかし儲けることに熱中しすぎると、
    品が悪くなるのもたしかである。
    金儲けにも品位を忘れぬようにしたい。
  • 死ぬときに残す教訓が大事なのではなく、
    生きている時の行動が大事なのだ。
  • 信用はのれんや見た目から
    得られるものではなく、
    確固たる信念から生まれる。
  • 真似をするときには、その形ではなく、
    その心を真似するのがよい。
  • 数字算出の確固たる見通しと、
    裏づけのない事業は必ず失敗する。
  • 反対者には反対者の論理がある。
    それを聞かないうちに、いきなりけしからん奴だと
    怒ってもはじまらない。
    問題の本質的な解決には結びつかない。
  • 世の人が元気をなくしており、
    社会の発展が停滞している。
    いままでの仕事を守って間違いなくするよりも、
    さらに大きな計画をして発展させ、
    世界と競争するのがよいのだ。
  • もうこれで満足だという時は、
    すなわち衰える時である。
  • 商売をする上で重要なのは、
    競争しながらでも道徳を守るということだ。
  • 一家一人の為に発する怒りは小なる怒りにて、
    一国の為に発する怒りは大いなる怒りである。
    大いなる怒りは、国家社会の進歩発展を促す。
  • 自分が信じないことは言わず、
    知ったからには必ず行うという思いが強くなれば、
    自然に言葉は少なく、行動は素早くなる。