8/10(木)旧渋沢邸「中の家(なかんち)」リニューアルオープン

埼玉県深谷市にある旧渋沢邸「中の家(なかんち)」が8月10日(木曜日)にリニューアルオープン!「中の家」主屋は、渋沢栄一翁の生地に建ち帰郷の際に滞在した家で、深谷市では未来へ遺し伝えるため、2019年から耐震補強や改修工事を進めてきました。建物の意匠をできるだけ保存し、一部の屋根瓦や漆喰などは細部に至るまで当時を復元しました。

見どころ

主屋の内部は、これまで建物の耐震性が担保できなかったことから原則立ち入り禁止となっていましたが、改修により内部の見学ができるようになりました。上座敷は渋沢栄一翁が帰郷の際に使用したゆかりの空間です。建物内からは四季折々の庭園などの風景を望めます。

株式会社ドトールコーヒー 鳥羽 博道 名誉会長の寄付と大阪大学 石黒 浩 教授の技術により誕生した80歳代の和服姿の渋沢栄一アンドロイドが、映像と一体となって少年時代や仲間たちとの思い出、フランス・パリでの出来事などを皆さんに語りかけます。

工事中に主屋の床下から新たな遺構が複数発見されました。その1つである「煉瓦製カマド跡」は現状保存し、常設公開しています。カマドの煉瓦には、栄一翁が中心となって設立した日本煉瓦製造株式会社の深谷市上敷免にあった工場で造られたことを示す「上敷免製」の刻印が確認されています。

この他にも「渋沢栄一 青天を衝け 深谷大河ドラマ館」の展示物の一部やドラマ館にあったドラマ内の「中の家」を再現したセットや撮影で使用された衣装、小道具なども中の家で見ることができます。

屋根瓦の葺き替え工事ではクラウドファンディング(※)を実施し、1400万円を超える寄附金が集まり、主屋の屋根瓦の裏側には寄附者の名前が記されています。

※クラウドファンディング特設サイト
指定文化財旧渋沢邸「中の家」屋根瓦改修プロジェクト ~主屋の屋根瓦に記名して後世に~

旧渋沢邸「中の家」

旧渋沢邸「中の家(なかんち)」の主屋は、この地方の典型的な養蚕農家の建物で1895年に渋沢栄一翁の妹夫婦によって建てられたものです。また「中の家(なかんち)」という名称は、家が渋沢一族の家々の中で真ん中に位置していたことから、「なかんち」と呼ばれていました。東京飛鳥山の私邸は空襲によって焼失したため、「中の家(なかんち)」は現在残る栄一翁が親しく立ち寄った数少ない場所のひとつです。

アクセス埼玉県深谷市血洗島247-1
開館時間午前9時~午後5時 (入場は午後4時30分まで)
休館日年末年始 (12月29日~1月3日)
入館料無料
お問合せ先048-587-1100(渋沢栄一記念館

※10名以上の団体でのご見学は、事前の予約が必要となります。詳しくは渋沢栄一記念館等の見学予約についてをご確認ください。

渋沢栄一翁の名言

信用はのれんや見た目から
得られるものではなく、
確固たる信念から生まれる

  • 人は全て自主独立すべきものである。
    自立の精神は人への思いやりと
    共に人生の根本を成すものである。
  • 全て形式に流れると精神が乏しくなる。
    何でも日々新たにという心がけが大事である。
  • 一人ひとりに天の使命があり、
    その天命を楽しんで生きることが、
    処世上の第一要件である。
  • 事業には信用が第一である。
    世間の信用を得るには、世間を信用することだ。
    個人も同じである。自分が相手を疑いながら、
    自分を信用せよとは虫のいい話だ。
  • たとえその事業が微々たるものであろうと、
    自分の利益は少額であろうと、
    国家必要の事業を合理的に経営すれば、
    心は常に楽しんで仕事にあたることができる。
  • 金儲けを品の悪いことのように考えるのは、
    根本的に間違っている。
    しかし儲けることに熱中しすぎると、
    品が悪くなるのもたしかである。
    金儲けにも品位を忘れぬようにしたい。
  • 死ぬときに残す教訓が大事なのではなく、
    生きている時の行動が大事なのだ。
  • 信用はのれんや見た目から
    得られるものではなく、
    確固たる信念から生まれる。
  • 真似をするときには、その形ではなく、
    その心を真似するのがよい。
  • 数字算出の確固たる見通しと、
    裏づけのない事業は必ず失敗する。
  • 反対者には反対者の論理がある。
    それを聞かないうちに、いきなりけしからん奴だと
    怒ってもはじまらない。
    問題の本質的な解決には結びつかない。
  • 世の人が元気をなくしており、
    社会の発展が停滞している。
    いままでの仕事を守って間違いなくするよりも、
    さらに大きな計画をして発展させ、
    世界と競争するのがよいのだ。
  • もうこれで満足だという時は、
    すなわち衰える時である。
  • 商売をする上で重要なのは、
    競争しながらでも道徳を守るということだ。
  • 一家一人の為に発する怒りは小なる怒りにて、
    一国の為に発する怒りは大いなる怒りである。
    大いなる怒りは、国家社会の進歩発展を促す。
  • 自分が信じないことは言わず、
    知ったからには必ず行うという思いが強くなれば、
    自然に言葉は少なく、行動は素早くなる。